News Release

瀬戸内建築視察の報告

弊社では、建築家の川元邦親氏に、設計部門の顧問を勤めていただいています。
建築に関するその幅広い知見で、今まで多くの作品を手がけ、後進の育成にも積極的に取り組まれている同氏は、弊社以外に、岡山県の住宅メーカー「和(かのう)建設」さまでも同じく顧問を務められています。その縁が高じて、両社の設計部門をはじめ、人の交流と情報を交換する機会が生まれています。

多様性が求められる社会になってきたいま、自社の企業文化だけでなく、さまざまな考えや志向に触れることにより、想像力や発想力などの感度を磨くことに繋がると考え、他社交流を積極的に進めています。



今夏には、「和建設」さまの設計スタッフの方が、横浜市緑区美しが丘(たまプラーザ)に売り出した弊社の戸建物件を視察に来訪。戸建新ブランド「イル・ディスティーノ」の第一弾となる物件をご案内しました。
そして今回は、弊社の設計スタッフを中心としたメンバーが、岡山県のモデルルーム/住宅展示場へ視察に伺うことに。住まいづくりに対する思いや取り組みを、モデルハウスにて実際のプランに触れながらご説明いただき、活発に意見交換をさせていただきました。
また、岡山への視察に伴い、近隣を代表する建築作品を巡るツアーも実施。広島/岡山の瀬戸内側に点在する見所もあわせて視察しました。





和建設モデルルーム



川元氏が奨励する「住宅のデザイン理念」である、「整理整頓の10項目」「形をまとめる4つの要因」を随所に取り入れた、同社のフラッグシップ・モデルルーム。世界3大建築家の一人、ミース・ファンデル・ローエの言葉「Less is more」を代表とするシンプルなデザイン手法「ノイズを取る」、「マイナスのデザイン」を具体的に作業するためのテクニックが詰まっています。



■メリハリの効いたエクステリア


中央にハイサッシュの大開口を配したシンメトリーな外観が特徴的。
内部の間取りが大きく影響する外観デザインにおいて、プランニングの段階から予めイメージ作りに取り組むことにより、周辺環境や敷地の特性、植栽や庭を活かした設計が可能です。

 

 

 

 

■統一感のあるリビングルーム


作り付けの造作家具により、空間全体がまとまりのある雰囲気に。素材と色を合わせること、ディテールの仕上げ方、空間に適した寸法、照明やAV機器の目隠しなど、無駄や余分を省いた引き算のデザインが調和を生み出しています。

 

 

 

 

 

■中庭とダイニングの曖昧なつながり


室内への採光抜群の大開口サッシュは、段差のないバリアフリー仕様。窓を開け放てば、室内から縁側、庭へと、内と外が穏やかにつながります。採光のほか、日射遮蔽、通風、排熱など自然の恵みを活かす仕組みを取り入れた、人にも環境にも優しい設計です。

 

 

 

 

■奥さま憧れのアイランドキッチン


取手のないシンプルなデザインの扉が繰り返す規則的なリズム、カウンターの高さを合わせることで、面のまとまりを生み出す視覚効果、エアコンの姿を隠すルーバーなど、空間をスッキリとさせる工夫が見てとれます。

 

 

 

 

 

■広がりのあるバス&サニタリールーム


ドアで仕切らず、フロアと壁をモノトーンのタイルを貼り分けることでゾーニングされた、シャープで開放感のあるバス&サニタリールーム。目地の合わせ方まで心を配る丁寧な施工により、細かなグリッドが整理整頓され、ノイズのない完成度の高い空間に仕上がっています。

 

 

 

 

 











近隣の瀬戸内建築を巡る視察ツアー




■神勝寺 寺務所「松堂」



「神勝寺 禅と庭のミュージアム」のエントランスも兼ねる寺務所。手曲げ銅板で葺いた屋根の上には、近隣の主要な樹木であるアカマツの木が。周囲に溶け込むと同時にユーモラスな表情をみせます。



■神勝寺 洸庭(こうてい)



伝統的なこけら葺きを応用し、全体を木材で柔らかく包んだ舟型の建物が、石のランドスケープの上に浮かびます。ゆるやかなスロープを上がり、小さな入り口から舟のなかへ入ると、暗がりの奥には海原が広がり、静かに波立っているインスタレーションを経験できる施設です。



■せとの森住宅



13棟26戸の住宅群の「せとの森住宅」は、地元企業の社宅です。既存のひな壇地形や石垣を残しつつ、階段や小径を設え、斜面地に沿うように点在しています。各棟はさまざまな方位に向けて配置されており、ステンレス鏡面仕上げの屋根と外壁が、時間や天候により多様な表情を見せます。



■せとテラス



進水式を待つ船のような外観が目を引くせとテラスは、38戸ある集合住宅。こちらも同じ地元企業の社宅です。敷地が瀬戸内海に面した斜面地に位置しているため、住戸ボリュームの一部を12m程キャンチレバーで海へ向かって持ち出す構造が特徴的で、地元のシンボルとして親しまれています。



■倉敷川畔の街並み



白壁土蔵のなまこ壁に、軒を連ねる格子窓の町家。一部が適度に観光地化される一方、未だに多くの人々が暮らしており、生活感を感じさせる自然な雰囲気が魅力的です。古い街並みをうまく保存・活用し、地域活性化の成功例として多くの自治体が参考にしています。



■岡山大学



傾斜の異なる7つの屋根が集合し、多様な表情をもつ総ガラス張りの建築(Junko Fukutake Hall)は、地域と大学の架け橋となり、セレンディピティを生み出すコミュニケーションスペースとして広く開放されています。
また、「人が集まり、対話が生まれる場所」として建設されたカフェ(Junko Fukutake Terrace)は、壁が無く有機的な曲線で構成された透明な空間。カフェに居ながら屋外にいるような、内側と外側の境目が消えて行く不思議な感覚を与えてくれます。




今回は1泊2日と駆け足での視察/交流でしたが、瀬戸内を代表する建築群と、より良い暮らしの追求に向けて真摯に取り組まれている志の高さに触れ、感性を刺激されるとても充実した内容でした。 今後も和建設さまを始め、多くの企業さまとの交流を深めることによって、新興商事の物づくりが、より良い社会の発展へとつながるよう、活動を続けていきたいと考えています。